Special Kernel V18d with FastFPE を試してみる

※人柱用のカーネルです 危険と思う人は真似しないでください
かなり前からZaurusの浮動小数点演算の処理能力を劇的に向上させる方法として"FastFPE"というもの紹介しているページがいくつかありました。
しかし、実用するには難しい欠点を抱えていたらしく毎回数値の計測に留まっていたようです。

今回は、hisさんがFastFPE用の修正パッチとそれらを適用したSL-C3000用のビルドカーネルを人柱向けに公開しました。
hisさんにSL-C1000用のカーネルのビルドをお願いしたところ作っていただけたので少し使ってみました。
　
まずはベンチマークを行ってみました。
使用したのは SL-C1000。
今回も計測したのは 650MHz　624MHz　520MHz　104MHz。
設定条件はコア電圧の後に付いている数字を参照。
　
スペシャルカーネルのベンチマーク(ZBench V2.2を使用)
書き方は　[項目] V18d(更新前)→with FastFPE 0.90b →with FastFPE 0.94a(更新後)

650MHz 1.60V 0A000219

[ Integer ]	time is 3.151 sec	→	3.130 sec	→	3.143 sec
[ Floating point ]	time is 3.063 sec	→	1.374 sec	→	1.371 sec
[ Draw Text ]	time is 8.683 sec	→	8.796 sec	→	8.853 sec
[ Draw Graphic ]	time is 6.137 sec	→	4.688 sec	→	4.748 sec

624MHz 1.40V 0A000218

[ Integer ]	time is 3.266 sec	→	3.285 sec	→	3.297 sec
[ Floating point ]	time is 3.221 sec	→	1.388 sec	→	1.414 sec
[ Draw Text ]	time is 9.005 sec	→	9.283 sec	→	9.405 sec
[ Draw Graphic ]	time is 6.373 sec	→	4.828 sec	→	4.977 sec

520MHz 1.25V 0A000214

[ Integer ]	time is 3.961 sec	→	3.951 sec	→	3.958 sec
[ Floating point ]	time is 3.870 sec	→	1.681 sec	→	1.711 sec
[ Draw Text ]	time is 10.792 sec	→	11.238 sec	→	11.107 sec
[ Draw Graphic ]	time is 7.710 sec	→	5.820 sec	→	5.949 sec

104MHz 0.90V 02000088

[ Integer ]	time is 20.856 sec	→	20.949 sec	→	21.081 sec
[ Floating point ]	time is 20.430 sec	→	8.856 sec	→	9.036 sec
[ Draw Text ]	time is 42.567 sec	→	43.493 sec	→	43.782 sec
[ Draw Graphic ]	time is 34.630 sec	→	25.080 sec	→	25.611 sec

　
数字の上では驚くほど向上していますが、実際には動画が少し良くなったかなくらいしか感じませんです。もっと初めてbetaPlayerを見た時のような驚きを期待していたのですが。
また、エミュレーターは使ってないのでその結果はわかりません。
一方で不具合は今のところ全く発生していません。
これを使ったことによる電力消費の変化を近いうちに調べてみたいと思います。

※阿川さんも計測されているようですが、自分の結果より Draw Text だけ２割も速いのが不思議です。