読書:恋愛の昭和史

DonnCop2006-05-24


久々に小谷野敦氏の著書を読みました。
題名は"恋愛の昭和史"。元々"文學界"で連載された内容を単行本化したもの。
題名からして、昭和の各年代ごとの恋愛のトレンドを紹介したりするものかと思っていたのですが、実際には明治から平成までの各時代ごとの書籍などを事細かに検証などをした内容でした。

本の内容の詳細に関しては他に譲るとして、大まかに述べると各時代ごとの恋愛に関する著作物とその著作者に関する検証をしながら時代の流れが書かれています。
あとがきにも書いてありますが、著者の他の本に比べると主張が少なく、そういったモノを期待していた自分にはやや物足りなかったです。

一方で、各時代に出てくる著作物と著作者の量が莫大で、しかもその著作者に関する基礎知識が必要なため、そういったものに詳しくない自分には理解しきれない部分が結構ありました。文献の量が多く著者はかなりスゴイ人と分かるのですが想像を超越してました(汗

何回かに分けて
さらりと流し読み→主張を確認した上で細部を読む
としないと内容が詳しすぎて理解が難しいのではないかと感じました。少なくとも自分の理解の範疇を超越してました(汗

本としての情報量はスゴイものの、ある程度基礎知識を要求する本かと思います。
敷居が低くないためあまりお薦めはできませんが、もともと近代の小説に詳しい人は楽しめると思います。